農芸化学科 琉球大学30年(S56.10.1発行)より
講座の概況
土壌学及び植物栄養学
農芸化学科に本学科目が設置される1972年(昭47)までは、教授 鎮西忠茂と講師 大屋一弘〔1967年(昭42)4月1日助教授に昇任〕が土壌学概論、同実験、肥料学概論、同実験などを学科設立当初から担当した。
1972年(昭47)5月本学の国立移管に伴い学科目となり、本学科目は教授 鎮西忠茂、助教授 大屋一弘及び同年7月に着任した助手 渡嘉敷義浩で構成された。
1975年(昭50)4月教授 鎮西忠茂の定年退職に伴い、後任として教授 西垣晋が着任し、関連する講義や実験を担当した。
1979年(昭54)4月教授 西垣普の定年退職に伴い、同年4月助教授 大屋一弘が教授に昇任し、同年5月助手 渡嘉敷義浩が助教授に昇任した。
授業科目としては土壌学概論、同実験・植物栄養学概論、同実験・土壌学(T)、卒業論文などを必修として提供し他に農林地質学・土壌学(U)、肥料及び植物栄養学など
を選択科目として提供し、現在に至っている。
主要な研究分野は次のとおりである。
(1)サトウキビ、サツマイモ、スーダングラスなどの養分吸収に関する研究生物化学及び栄養化学
(2)軟質堆積岩に由来する土壌(ジャーガル、マージ)の理化学的特性及び粘土鉱物組成に関する研究
(3)開墾地土壌の肥沃度変遷に関する研究
本学科の創立当初講師 仲村実久(現在助教授)が生物化学、栄養化学の講義を担当した。1970年(昭45)4月に講師 知念功が着任し、栄養化学を担当することになった。同講師は1971年(昭46)4月助教授に昇任した。
次いで、同年4月18日 教授 福渡七郎が着任した。1972年(昭47)5月本学の国立移管に伴い学科目となり、次のような教官組織で発足することになった。
教授 福渡七郎 助教授 知念功 助手 平良悦子
1975年(昭50)4月教授 福渡七郎が定年退職し、同年6月後任として、教授 四方治五郎が着任した。
1978年(昭53)4月助手 青塚悦子(旧姓平良)が退職し、同年8月後任に、助手 福田亘博が着任した。
本学科目の主要授業科目は、必修科目として、生物化学(T、U)、同実験・栄養化学(T)、同実験、卒業論文があって、選択科目としては、栄養化学、(U)、酵素化学、食品化学などがある。
最近の主な研究分野としては次のものがある。(1)オニヒトデの棘の毒素応用微生物学
(2)オニヒトデの消化器官の加水分解酵素
(3)南方系動植物中の生理活性物質
(4)甘蔗茎のグリコシダーゼに関する研究
学科創設時〔1963年(昭38)〕の応用微生物関係の主な授業科目は4科目で、助教授 宮里興信が応用微生物学及び醸造学を担当し、講師 当山清善〔1967年(昭42)4月助教授に昇任、1972年(昭47)4月教授に昇任〕が醗酵化学及び醗酵生産学を担当した。
1972年(昭47)本学の国立移管により学科目の態勢が確立され、当山教授及び宮里助教授が授業料日を担当した。
1975年(昭50)4月、宮里助教授が昇任して農産製造学及び農薬化学学科目担当教授となり、同年10月、助教授として与那覇和雄が着任し、醗酵化学を担当した。
1976年(昭51)4月上原初枝が文部技官として採用された。
1979年(昭54)4月平良初枝(旧姓上原)技官の退職に伴い、同年4月本学大学院農学研究科修士課程を修了した石原昌信が文部技官として採用された。
本学科日で学部学生に対して行っている授業科目は、次のとおりである。
応用教生物学(T、U)、醸造学(T、U)、醗酵化学、醗酵生産学、応用微生物学実験、醸造学実験、応用微生物学特殊講義、卒業論文。
主な研究分野は次のとおりである。(1)泡盛麹菌、泡盛酵母及び細菌の生理化学農産製造学及び農薬化学
(2)微生物起源酵素の生理化学
(3)農産物の微生物学的利用
本学科目は、1972年(昭47)、本学の国立移管により開設された。しかし農芸化学科の創設当時〔1963年(昭38) 4月〕は、主として農産製造学関係の授業科目は、助教授 比嘉信吉〔1971年(昭46)9月死去〕が担当していた。
1971年(昭46)4月、教授 清水俊秀が着任し、農産製造学関係の授業科目を担当することになった。
同年7月、助手 小波本直忠〔1972年(昭47)4月、助教授に昇任〕が採用され、農薬化学を担当した。
その後、学科目の開設により、1972年(昭47)7月、助手 安田正昭が採用されて、農産製造学実験を担当することになった。
1975年(昭50)4月、清水俊秀教授の定年退職に伴い、後任として応用微生物学学科目担当の助教授 宮里興信が教授に昇任し、農産製造学を担当することになり現在に至っている。
授業科目は、農産製造学(T、U)、同実験、農薬化学、同実験、卒業論文などを必修とし、食品貯蔵学、農薬生物理化学、農産製造学及び農薬化学特殊講義を選択科目として提供している。
主要な研究分野は、次のとおりである。
(1)紅こうじによる豆腐ようの製造に関する研究製糖化学
(2)昆虫の色覚阻害剤としてのアントシアン系化合物の利用に関する研究
(3)アラバン分解酵素に関する研究
(4)キシラン分解酵素に関する研究
本学の国立移管に伴い、学科制に代わって学科目制が制定され、本学科目は、当初1972年(昭47)4月、普及事業施設より本学科ヘ配置換えになつた教授 外間宏一、講師 仲村実久の2教官によつて組織されたが、同年7月、助手、仲宗根洋子が着任し、完全学科目となつた。
講師 仲村実久は、1974年(昭49)4月、助教授に昇任した。
各教官の主な担当授業料目及び研究分野は、下記のとおりである。
教授 外間宏一なお、各教官は卒業論文の指導を担当し、研究用備品には、デジタル旋光計、自記分光光度計、高圧用オートクレープなどがある。
授業料目:製糖学、製糖化学(T)、農芸化学(U)、製糖学実験、製糖化学実験(T)。
研究分野
(1)甘蔗切片の褐変機構
(2)澱粉化学及び関連酵素
(3)甘蔗廃糖蜜のアミノ酸醗酵
助教授 仲村実久
授業料目:農用分析化学、農芸化学(T)、農芸化学実験(T)。
研究分野
(1)茶葉ビタミンC
(2)さつまいもインペルターゼ
(3)糖の異性化反応
助手 仲宗根洋子
授業科目:製糖学実験、製糖化学実験(T)。
研究分野
(1)甘蔗における蔗糖の生合成
(2)蔗汁及び廃糖蜜中の多糖類